初心者のための整合計算

2025年7月20日

このページでは、簡略された麻雀の点数計算「整合計算」を知らない人向けに解説しています。ここを読めば整合計算を一通り理解し計算できるようになります。

必要な前知識

この章では一般的な麻雀のルールのうち、整合計算を知るまでに最低限必要と思われるルールを説明しています。すでに知って入ればこの章を飛ばしてよいです。

面子(メンツ)・対子(トイツ)

ある特定の牌の組合せを面子(メンツ)といい、次の3種類があります。

名前読み定義
順子シュンツ同じ種類の連続する3枚の牌。
刻子コーツ同じ種類の同じ数字の3枚の牌。
槓子カンツ同じ種類・同じ数字の4枚の牌で、「カン」と宣言し場にさらしたもの。

同じ種類・同じ数字の2枚の牌を対子(トイツ)と言います。

アガリ

特定の条件を満たしたときに、役が成立します。

1つ以上の役の定義を満たして、4つの面子と1つの対子から構成される形になったとき、あがることができます。

役がないとあがることはできませんので、注意してください。

ツモアガリとロンアガリ

山から取った牌であがることをツモアガリといい、他人が捨てた牌で上がることをロンアガリといいます。

親と子

プレイヤーは親と子のどちらかに区別されます。

親は必ず1人です。局の最初に牌を捨てる人が親です。

子は、四人麻雀では3人、三人麻雀では2人います。

門前(メンゼン)

麻雀では、チー、ポン、カンなどと発声して他人が捨てた牌を自分の牌として取得することができる場合があります。これらの行為をその人が一度もしていない状態を門前(メンゼン)といいます。

翻数はんすう

この章からは一般的な麻雀のルールにはなく整合計算にのみ適用されるルールが含まれます。

誰かがあがったとき、点数を計算し、あがった人に点数を移動します。点数は翻数(はんすう)によって決められ、翻数が高いほど点数は高くなります。

整合計算では、役、ドラ、「役とドラ以外の翻を数えるもの」に翻数が定められています。

点数を導くための翻数はこれらの合計です。

翻数名前読み説明
0.5平和ピンフ次の条件をすべて満たす。
・4面子がすべて順子である。
・門前である。
・雀頭が役牌ではない。
・両面待ちであがった。

両面待ち:順子を構成する3つの牌のうち、
一番大きい数字または一番小さい数字がない状態で、
次その牌が来るとあがれる状態。

必ず門前ロンか役のツモと複合するため、
平和で上がったときの合計翻数は
最低1翻(=平和0.5翻+門前ロン0.5翻)となる。
0.5門前ロンメンゼンロン門前でのロンアガリ。
役ではない。
1ツモツモ門前でのツモアガリ。
1リーチリーチ門前であと一つ牌がそろえばあがれる状態になったときに、
自分の手番で「リーチ」と宣言し、1000点を場に支払い、
河に横向きに牌を捨することで条件を満たす。
リーチの宣言後は、誰かがあがるか流局するまで
ツモった牌をそのまま捨てなければならない。
1一発イッパツリーチを宣言してから次のツモ番までのアガリ。
次のツモ番までにチーまたはポン、カンがあるとなくなる。
1タンヤオタンヤオ2以上8以下の数牌のみで構成する。
1役牌ヤクハイ役牌かつ1組の刻子または槓子。

役牌:自風牌(じかぜはい)または場風牌(ばかぜはい)、三元牌(さんげんぱい)。
自風牌:人の風と同じ牌。人にはそれぞれ異なる風が設定されている。
親は「東(トン)」。
親から反時計回りに「南(ナン)」「西(シャー)」「北(ペー)」が順にその人になる。
場風牌:場の風と同じ牌。場には風が設定されている。
三元牌:「白(ハク)」「発(ハツ)」「中(チュン)」
1ドラドラあがるときに持っていると1個あたり1翻が加算される牌。
役ではない。

表の中で、門前ロンとドラ以外のものはすべて役です。

役ではないものは覚える優先順位が低いです。

平和は条件が複雑で初心者が覚えるのに時間がかかる役であるため、この中では最後に覚えるくらいでよいです。

整合計算では、慣例と同じ役を適用します。ただし、平和、七対子、三槓子のみ、以下の通り翻数が変更されます。

慣例
での翻数
整合計算
での翻数
役名
10.5平和
21.5七対子
 22.5対々和
22.5三暗刻
23三槓子
整合計算で変更された翻数

ドラは慣例通り適用されます。

符翻

整合計算では、以下のように新たに符翻というものが追加されます。

翻数名前読み定義
0.5門前清栄和メンゼンチンロンホー門前でのロンアガリ。
0.5二暗刻リャンアンコー2組の暗刻子。
0.5一槓子イーカンツ1組の槓子。
1二槓子リャンカンツ2組の槓子。
符翻

符翻が成立すると、役やドラと同じように得点を求めるための翻数が加算されます。

符翻は、これまで符で担っていた細かな計算を代替するものです。

点数

基点

計算する上で重要な点数が基点として定められています。

条件にかかわる基点を条件の基点、翻数にかかわる基点を翻の基点と言います。

「条件」と「条件の基点」の関係、及び「翻数」と「翻の基点」の関係が次の通りに定められています。

条件基点翻数
子のツモあがりで子が支払うとき5001
(該当なし)7501.5
子のツモあがりで親が支払うとき
親のツモあがりで子が支払うとき
10002
三人麻雀で子のあがり15002.5
三人麻雀で親のあがり
四人麻雀で子のあがり
20003
四人麻雀で親のあがり30003.5
基点表

この表を基点表といいます。

条件の基点と翻の基点が偶然同じ点数になったため、覚えやすいように一つの表に統合して示したものが基点表です。「翻数と条件の関係」が示されているのではないことに注意してください。

基点表は計算に必要ですので、覚えることをおすすめします。

ツモアガリではあがった人以外の人全員が点数を支払いますが、ロンアガリでは自分の捨てた牌で他人にあがられた人だけがあがった人に点数を払います。

ツモアガリの得点は、支払いの合計です。

4翻未満では「条件の基点×翻の基点÷1000」

整合計算の公式は4翻を境に異なっています。

4翻未満の点数は、次の公式を使って求められます。この公式を基点公式と言います。

基点公式

点数=条件の基点×翻の基点÷1000

例題

四人麻雀で親が3翻ロンであがったときの点数は、以下の計算より6000点だと分かります。

点数=四人麻雀における親のロンアガリの基点×3翻の基点÷1000
=3000点×2000点÷1000
=6000点

4翻以上13翻未満では「条件の基点×翻数」

4翻以上13翻未満の点数は、次の公式を使って求められます。この公式を翻の第4規則と言います。

翻の第4規則

点数=条件の基点×翻数

13翻以上と役満には別の公式があります。しかし、どちらもほとんど出現しないため、通常は上の2つの公式だけ覚えておけば十分です。

例題

四人麻雀で親が4翻ツモであがったときの子の支払いは、以下の計算より4000点だと分かります。

点数=親のツモアガリ時、子の支払いの基点×翻数
=1000点×4
=4000点

250点単位

点数は250点単位です。

一般的な麻雀セットで遊ぶ場合は、100点棒を250点棒として使用してください。

上記までの計算結果は、点数早見表のページで確認することができます。

実際の点数

上記までに求めた点数に供託点と積み棒の点数を考慮すると実際の点数が求められます。

実際の得点 = 上記で求めた得点 + 供託点の合計 - 積み棒の合計点 ×(プレイヤー数 - 1)

実際の失点 = 上記で求めた失点 - 支払った供託点 - 積み棒の合計点 × [ツモの場合:1, ロンの場合:(プレイヤー数 - 1)]

供託点の合計:現在の局でリーチするときに場に出した供託点と前の局から引き継いだ供託点の合計。(現在の局で誰も上がらなかった場合、供託の点数は次の局に引き継がれる。)

パブリック・ドメイン

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Posted by 里見瞬